• 太陽光発電

太陽電池モジュール(太陽光パネル)の寿命は?廃棄方法や費用も解説

関連記事光熱費の削減や環境への配慮、災害対策の一環として、太陽光発電を導入する企業が増えてきています。

しかし、太陽電池モジュール(太陽光パネル)は屋外に設置されることも多いため、その寿命や耐久性が気になって導入へ一歩踏み出せないケースも多いかもしれません。

そこで本コラムでは、太陽電池モジュールの寿命について解説します。

併せて、廃棄の方法や費用も紹介しますので、ぜひ、導入を検討される際の参考にしてください。

 

 

また、そもそもの太陽光発電の仕組みや費用等について知りたい方は、下記記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

太陽電池モジュール(太陽光パネル)の寿命はどのくらい?

太陽電池モジュールは、太陽光発電システムの一部です。シリコンなどの半導体で構成されており、太陽光が当たると、その光エネルギーを電気エネルギーに変換します。

半導体と聞くとデリケートなイメージを抱きがちですが、実際はどれほど使えるものなのでしょうか。

一般的な寿命年数は10年?

「太陽光発電の寿命は10年」と耳にしたことがある方も多いかもしれません。しかし現実的には、太陽光発電の寿命は約20〜30 年程度だと考えられています。

ではなぜ「10年」という年数がひとり歩きしているのかというと、太陽光発電システムの他の設備が関係してるようです。

パワーコンディショナの寿命が10〜15年とされているため、太陽光発電全体が10年程度しか持たないという誤解につながっていると推測されます。

法定耐用年数は?

「法定耐用年数」とは、資産の減価償却を行う際に用いられる年数です。太陽電池モジュールの法定耐用年数は、国税庁によって「17年」と定められています。

参考:国税庁 耐用年数省令別表第二 機械及び装置の耐用年数表(新旧資産区分の対照表)

ただし、法定耐用年数はあくまでも「平等に課税するための法律」であり、設備の寿命を表すものではありません。実際には、設置から30年以上も安定的に稼働している事例も報告されています。

寿命が来たらどうする?太陽電池モジュール(太陽光パネル)の廃棄

太陽電池モジュールは長く機能すると予想されますが、それでも、いずれは劣化や故障により廃棄しなければならないときが来ます。

そのときに備えて、事前に廃棄の方法や知識を身につけておきましょう。

廃棄に関連する課題

日本で太陽光発電が広まるきっかけとなったのは、2012年に開始された「FIT制度(固定価格買取制度)」だといわれています。

再生可能エネルギーによって売電収入を得られるようになったために太陽光発電の導入を決断した企業も少なくないでしょう。

同時期に設置された太陽電池モジュールは、やはり同時期に寿命を迎えると考えられます。

FIT制度の開始時期と太陽電池モジュールの寿命から試算すると、2030年代の後半以降に太陽電池モジュールの廃棄がピークを迎えるでしょう。

ピーク時の廃棄量は50〜80万tとも想定されていることから、最終処分場のひっ迫が懸念されます。

 

環境省のガイドラインに基づく廃棄までの流れ

環境省は、発電事業者や太陽電池モジュールの解体・撤去事業者向けに廃棄の流れをまとめたガイドラインを策定しています。

参考:環境省 太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)

ガイドラインの要約は、以下のとおりです。

リユース・リサイクルに向けて

最終処分場のひっ迫を回避するためには、太陽電池モジュールをリユース・リサイクルできる環境づくりも欠かせません。部品を細かく分別し、それぞれに適した安全なリユース・リサイクルフローを整備する必要があります。

しかし、現在はまだ大量廃棄の段階にないため、課題や実態が把握しきれていないのが実情です。環境省や経済産業省などが連携しながら調査とフローの精査が重ねられています。

廃棄費用について

太陽電池モジュールを廃棄する方法や流れが理解できたところで、次に気になるのは廃棄にかかる費用についてでしょう。ここでは、どのような費用が必要で、どのように用意するのかを確認しておきましょう。

廃棄にかかる費用の種類

太陽電池モジュールを廃棄するための費用は、以下の3種類に大別されます。

  • 解体・撤去費用
  • 運搬費用
  • 産業廃棄物処分費用

太陽電池モジュールの設置規模が大きければ大きいほど、費用も費用も高額になる傾向にあります。とはいえ、解体・撤去や処分には専門的な知識や技術が必要なため、廃棄作業は事業者へ依頼するようにしましょう。

廃棄費用の積立て制度

産業用太陽電池モジュールの廃棄費用は、2022年7月に開始した「太陽光発電設備の廃棄費⽤積⽴制度」によって積立てが義務づけられています。

廃棄費用の積立ては、もともとは任意で行われていたものです。しかし、実際に積立てていた発電事業者は2割に満たないことが国の調査で発覚したことから、不法投棄などを防ぐために義務化されました。

参考:経済産業省資源エネルギー庁 太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について

この制度の対象となるのは、以下のケースです。

対象 10kWh以上かつFIT認定を受けている発電所 ※住宅用は除く
開始時期 FIT期間終了の10年前から
積立方法 外部積立(毎月の売電収入から天引き)
積立額 FIT認定時の売電価格により異なる

事業の廃止などにより太陽光発電を撤去した場合には、積立金は返金されます。

太陽電池モジュール(太陽光パネル)を長期的に利用するための工夫

太陽電池モジュールの廃棄について解説してきましたが、まずはできるだけ長く利用したいところです。そこでここでは、太陽電池モジュールを長期的に利用するためにできる4つの工夫を紹介します。

FIT/FIP制度による事業期間終了後も可能な限り利用する

FIP制度とは、FIT制度のような固定額での電気の買い取りではなく、市場価格に一定のプレミアム(補助額)を上乗せして買い取る制度です。2022年4月に開始され、FIT期間終了後の新しい選択肢としても注目されています。

参考:経済労働省資源エネルギー庁 再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート

たとえ、FIT/FIP制度の期間が終了したとしても、太陽光発電が正常に作動していれば発電は可能です。電力会社の卒FIT用プランで売電したり、電気の自家消費をしたりといった使い道があります。

定期的にメンテナンスを行う

太陽光発電に限らず、機器を長く、安全に利用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。太陽光発電の主なメンテナンス内容は、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)によって努力義務としてガイドラインにまとめられています。

参考:一般社団法人太陽光発電協会 太陽光発電システム保守点検ガイドライン

メンテナンスは不具合を早期発見できるだけでなく、太陽電池モジュール表面の汚れを落とすことによって発電効率を維持することにもつながります。

 

最適な場所に設置をする

事務所や工場の屋根や空き地に設置されることが多い太陽電池モジュールですが、近年は、カーポートや農地の上部などを利用する方法が採用されることも増えてきました。多様な場所に設置できるのが魅力ですが、発電に適した場所でなければ、本来の力を発揮できません。

太陽光発電に適するとされているのは、以下のような場所です。

  • 日当たりが良い場所
  • 平らな場所
  • 雪や風雨など自然災害の影響を受けにくい場所

日当たりが良くても雪や風の影響がある場合には、表面の破損リスクが高まります。保護を考慮して設置するようにしましょう。

保証期間が長い製品を選ぶ

太陽電池モジュールの保証期間や内容は、メーカーによって異なります。太陽電池モジュールの寿命の長さを考えると、保証期間に着目して製品を選ぶのも一案です。

太陽電池モジュールの保証は、機器の保証にあたる「製品保証」と、一定の発電効力を保証する「出力保証」とに大別されます。

同じメーカーでもそれぞれの保証期間が異なる場合もあるため、両方確認するようにしましょう。

リープトンエナジーの「N-type」なら両面製品保証が25年

リープトンエナジーの「N-type(両面発電)」は、裏面に強化ガラスを採用した両面発電モジュールです。

反射光まで利用することで、従来の片面発電と比較より5〜25%の発電量増が見込めます。(※)設置条件により変わります。

「N-type(両面発電)」は、製品保証は片面発電モジュールより10年長い25年、出力保証は5年長い30年をご用意しています。水上や積雪地などさまざまな気象条件に耐え得るパネル強度を誇りながらも、長い保証期間を備える太陽電池モジュールをお探しならば、ぜひご検討ください。

まとめ

太陽電池モジュールは、適切に運用すれば長く活躍する可能性の高い設備です。とはいえ、いつか来る廃棄のときに備えて、正しい廃棄の方法や流れを今一度確認しておきましょう。

太陽電池モジュールの撤去・解体や廃棄には専門的な技術や知識が求められるため、専門家への依頼がおすすめです。

リープトンエナジーは、高い品質と技術力を誇る日本の太陽電池モジュールメーカーです。「Tier1」や「PVEL」といった世界的に第三者認証機関からも、その実力を認められています。

太陽光発電の導入にお悩みの際には、お気軽にご相談ください。

記事をシェアする

  • X