【図解でわかりやすく】太陽光発電のリパワリングとは?費用も紹介
「太陽光発電の経年劣化によって発電効率が低下してきた」とお悩みの企業担当者も多いかもしれません。発電効率は売電収入や電気の自家消費率に直結するため、リパワリングがおすすめです。
太陽光発電のリパワリングでは、太陽電池モジュールやパワーコンディショナなど一部の機器を交換することで、発電効率を高めます。
本コラムでは、リパワリングの概要やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。費用についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
【図解でわかりやすく解説】太陽光発電のリパワリングとは?
太陽光発電のリパワリングとは、太陽光発電設備のうち一部の機器のみをリプレイスして発電効率を高めることです。
太陽光発電は、毎日稼働し続けている設備です。正しく定期点検やメンテナンスを実施していても、経年劣化は避けられません。
太陽光発電設備は経年劣化すると、故障のリスクが高まるだけでなく、発電効率も低下します。つまり太陽光発電の経年劣化は、売電や電気の自家消費を行っている企業にとっては、経営課題ともいえるのです。
リパワリングの目的は、設備全体ではなく一部のみリプレイスすることで、少ない投資額で発電効率を向上させることです。太陽電池モジュールやパワーコンディショナといった主要機器のみを最新のものに交換することで、発電効率の最大化を目指します。
太陽光発電でリパワリングを行うメリット
ここからは、太陽光発電でリパワリングを実施するとどのようなメリットが得られるのかを具体的に確認していきましょう。
主なメリットは以下の2つです。
- 発電効率が上がり、売電収入や自家消費量が増える
- 不具合の発生頻度が減り、メンテナンス費用を削減できる
それぞれ詳しく解説します。
発電効率が上がり、売電収入や自家消費量が増える
先に紹介したとおり、太陽光発電のリパワリングを実施すると、発電効率の向上が見込めます。設備全体は運用開始から時間が経過していても、発電能力に直結する機器は最新の技術を用いてつくられたものだからです。
発電効率の向上に伴って発電量が増えれば、自家消費や売電に回せる電力も増えます。リパワリング前よりも太陽光発電を有効活用しやすくなるでしょう。
そもそも太陽光発電の発電効率がどのくらいなのかを知りたい方は、以下記事も参考にしてみてください。
不具合の発生頻度が減り、メンテナンス費用を削減できる
太陽光発電のリパワリングによって得られるメリットは、発電効率の向上だけではありません。リパワリングによって機器を新品に交換した場合、経年劣化したものを使い続ける場合に比べて不具合の発生リスクも低減します。
太陽光発電の仕組みは複雑なうえ、点検や修理作業のなかには専門の資格が求められるものも含まれます。そのため、不具合やトラブルが起こった場合には、専門業者に点検やメンテナンスを依頼するケースが多いでしょう。
リパワリングを実施して不具合の発生頻度を抑えることは、長期的にみるとメンテナンス費用の削減という経済的メリットももたらす可能性があります。
太陽光発電でリパワリングを行うデメリット
太陽光発電のリパワリングを検討する際には、メリットだけでなく、デメリットもしっかりと把握しておく必要があります。
主なデメリットは、以下の2つです。
- 導入費用がかかる
- 一時的に発電を止める必要がある
併せて対応策も紹介しますので、検討にお役立てください。
導入費用がかかる
太陽光発電のリパワリングを実施するためには、新しい機器の導入が必要です。設備全体をリプレイスする場合に比べると費用は抑えられるとはいえ、最新機器を導入するとなると、相応の費用がかかります。
さらに導入費用には、機器代のほか、交換工事にかかる費用や古い機器の処分費用なども含まれます。これらの費用と導入後の売電収入などの経済的メリットをしっかりとシュミレーションしたうえで、導入機器や依頼業者を選定するようにしましょう。
一時的に発電を止める必要がある
太陽光発電のリパワリング工事を行う際には、作業員が感電するのを防ぐため、一時的に発電を止めるのが一般的です。工事に要する時間は交換箇所や設備の規模などによって異なるものの、箇所や規模が多いケースほど工事が長引く可能性が高いでしょう。
リパワリング工事の実施中にすべての発電を止めないように、交換箇所の回路のみ電源を落として順番に交換して回る方法もあります。しかしその場合は、工期が長引くことがほとんどです。
事業内容や電力ニーズなども考慮しながら、なるべくロスを抑えられる工事方法を選択するとよいでしょう。
太陽光発電のリパワリングにかかる費用相場は?
太陽光発電のリパワリングにかかる費用は、機器メーカーや工事事業者などによって異なります。
参考までに、経済産業省の資料によると、太陽電池モジュールの本体価格相場は9.5万円/kW、パワーコンディショナは3万円/kWで、これに工事費などがかかることになります。
ただし、上記はあくまでも機器の本体価格の中央値です。リパワリングでは最新機器が選ばれることが多いことを考慮すると、統計値よりも余裕を持った資金計画を立てておく必要があるでしょう。
太陽光発電のリパワリングに補助金は使える?
現時点では、国が公募している補助金のなかに太陽光発電のリパワリングに使えるものはありません。
ただし、東京都では、家庭用太陽光発電のパワーコンディショナの交換に使える補助金を用意しています。
産業用太陽光発電でも同様の取り組みを開始する自治体が出てくる可能性もあるため、こまめに国や自社所在地の自治体の発表を確認してみるのがおすすめです。
太陽光発電のリパワリングにおすすめの設備
太陽光発電のリパワリングにおすすめの設備は、太陽電池モジュールとパワーコンディショナです。ここでは、それぞれどのような製品があるのか紹介します。
太陽電池モジュール
太陽電池モジュールは、太陽光発電の大部分を占める主要設備です。さらにその性能は発電効率に直結するため、リパワリング後の効果を実感しやすいでしょう。
最新の太陽電池モジュールは、少ない面積で以前と同等の出力を実現できるようになってきました。その分、スペースやメンテナンス費用の削減にもつながります。
リープトンエナジーの「N-type両面太陽電池モジュール」は、両面がガラスタイプの太陽電池モジュールです。反射光も有効活用できるため、従来の片面タイプのものより発電量が5〜25%増加します。
パワーコンディショナ
パワーコンディショナは、太陽電池モジュールでつくられた直流電流を、電力として利用可能な交流電流に変換する設備です。「太陽光発電の心臓部」ともいわれる部分で、パワーコンディショナの経年劣化は発電効率に大きく影響します。
リープトンエナジーのパワーコンディショナは、従来のものより設置面積を約40%削減した小型軽量タイプです。小型ながら高い電力変換効率を実現し、太陽電池モジュールの高出力化にも対応できます。
さらに「自立運転・自動切り替え機能」を搭載しており、停電時の電気利用が可能です。
太陽光発電のリパワリングに向けた工事をする流れ
太陽光発電のリパワリング工事の流れは、設置事業者によって誤差はあるものの、おおむね以下のとおりです。
- 現在の太陽光発電の状態を確認する
- 現状をもとに、リパワリングを実施する機器を選定する
- リパワリング工事を実施する
- 古い機器を処分する
- リパワリング後のメンテナンス・点検計画を立てる
まずは状態を確認して、発電効率が下がった原因である機器を選定する必要があります。交換する設備によって必要な期間や費用は異なるため、確認が終わってから業者に確認するようにしましょう。
まとめ
導入から時間が経過した太陽光発電の発電効率が低下してきた場合、経年劣化が疑われます。そのまま使い続けても、発電効率が改善される可能性はほとんどありません。
設備全体をリプレイスするとなると費用も高額化しがちですが、リパワリングであれば、限定的なリプレイスで発電効率の改善・向上が期待できます。ただし、リパワリングを実施する機器などを選定するためには、正確な現状確認やシュミレーションが必要です。
リープトンエナジーは、神戸市発祥の太陽電池モジュールメーカーです。「Tier1」や「PVEL」などの世界的第三者認証機関からも認められるその高い品質と技術力で、適切なリパワリングを提案します。ご検討中であれば、ぜひ一度ご相談ください。
監修者
リープトンエナジーブログ編集部
”神戸発”太陽電池モジュールメーカー、リープトンエナジーが太陽光発電について易しく詳しく解説します。お問い合わせは、右上の「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。