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太陽光発電の年間発電量は?1日の発電量や計算、確認方法を解説

高騰する電気料金削減のため、あるいはBCP対策として太陽光発電システムの導入を検討している企業担当者の方も多いでしょう。しかし、「実際にどのくらい発電するの?」「費用対効果は?」といった点も気になっているのではないでしょうか。

 本記事では、太陽光発電システムにおける年間推定発電量や1日の発電量を解説します。また、発電量を左右する要因や計算方法などについても紹介します。


まずは、太陽光発電の仕組みについて理解したいという方は以下の記事を参考にしてみてください。

 

 

太陽光発電の年間発電量はどのくらい?

太陽電池モジュール

太陽光発電設備を導入する際は、年間推定発電量を適切に把握することが重要です。電気料金の削減効果や売電収入を予測できるからです。発電量が多ければ初期費用を回収する期間が短くなり、経済的なメリットが大きくなります。

 年間発電量とは、太陽光発電システムが1年間に発電する電力量です。単位はkWh(キロワットアワー)で表されます。そのシステムがどれだけ発電できるかを表す出力容量(単位:kW)とは異なりますので、混同しないように覚えておきましょう。

年間ならびに1日の発電量

太陽光発電システムの最大発電量は、太陽電池モジュールの設置量によって決まります。一般的な製品であれば、1kWの出力容量に対して年間推定発電量は1,000kWh程度です。

 そのため計算式は以下になります。

年間推定発電量:設置容量(kW)×1,000kWh
1日の推定発電量:年間推定発電量÷365日


この値をもとに、太陽光発電システムの規模別に年間および1日の推定発電量を計算します。
 

小規模の場合(10〜20kW)

 10〜20kWの小規模な太陽光発電システムの場合、年間推定発電量と1日の推定発電量は以下になります。

【年間推定発電量】
・10kWの場合:10kW × 1,000kWh = 10,000kWh
・20kWの場合:20kW × 1,000kWh = 20,000kWh
【1日の推定発電量】
・10kWの場合:10,000kWh ÷ 365日 = 27.4kWh
・20kWの場合:20,000kWh ÷ 365日 = 54.8kWh

中規模の場合(20〜50kW)

20〜50kWの中規模な太陽光発電システムの場合、年間推定発電量と1日の推定発電量は以下になります。

【年間推定発電量】
・20kWの場合:20kW × 1,000kWh = 20,000kWh
・50kWの場合:50kW × 1,000kWh = 50,000kWh
【1日の推定発電量】
・20kWの場合:20,000kWh ÷ 365日 = 54.8kWh
・50kWの場合:50,000kWh ÷ 365日 = 137.0kWh

 

大規模の場合(50kW以上)

50kW以上の大規模太陽光発電システムの場合、年間推定発電量と1日の推定発電量は以下になります。

【年間推定発電量】
50kWの場合:50kW × 1,000kWh = 50,000kWh以上
【1日の推定発電量】
50kWの場合:50,000kWh ÷ 365日 = 137.0kWh以上

規模別の年間および1日の推定発電量

 規模別の年間推定発電量と1日の推定発電量について、わかりやすいようにまとめたのが以下の表です。

システムの規模

発電容量

年間推定発電量(kWh)

1日の推定発電量(kWh)

小規模

10kW〜20kW

10,000〜20,000

27.4〜54.8

中規模

20kW〜50kW

20,000〜50,000

54.8〜137.0

大規模

50kW〜

50,000〜

137.0〜

月別の発電量の違い

 前項では年間推定発電量と1日の推定発電量について解説しました。ただし太陽光発電は自然条件が影響するため、毎月決まった量を発電しているわけではありません。そこで、月別の発電量の違いを見てみましょう。

 下記の表は家庭用にはなりますが、環境省が公表している「令和3年度家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)」をもとに2021年度の月別の発電量をまとめています。

発電量(kWh)

2021年4月

531

2021年5月

494

2021年6月

478

2021年7月

475

2021年8月

475

2021年9月

392

2021年10月

431

2021年11月

386

2021年12月

336

2022年1月

339

2022年2月

369

2022年3月

444

抜粋:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る

 一般的に日照時間が長いほど発電効率が良く、発電量が増えます。そのため、春から夏にかけて発電量が大きい様子がわかります。これは家庭用も事業用も同様です。

太陽光発電の年間発電量の計算方法

太陽光発電の年間発電量の計算方法

太陽光発電システムの発電量について解説しましたが、個別のシステムに合わせてより詳細に計算したい場合もあります。その際は、以下の計算式で求めます。

年間発電量 = システム容量 × 年間日射量 × 損失係数(システム出力係数)


以下の表は、それぞれの項目の概要です。

項目

概要

システム容量

システムにおいて最大に発電できる容量です。太陽電池モジュール自体の容量が大きいほど、年間発電量は大きくなります。

年間日射量

太陽光発電は、太陽光をエネルギーに変換して発電します。そのため年間日射量がどれくらいかで年間発電量は異なります。
なお、設置場所ごとの日射量を調べるには、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「日照量データベース閲覧システム」がおすすめです。

損失係数(システム出力係数)

太陽光発電システムでは、外的・内的要因によって一定のロスが発生します。
損失係数とはシステムにおける損出を数値化したもので、一般的には0.7〜0.9を用いて計算します。
ただし、より正確に損失係数を算出したい場合は、次の計算式で求められます。「パワーコンディショナの変換効率×気温による影響×そのほかの損失」

年間発電量に影響を与える要因

太陽電池モジュール

前述したように、太陽光発電システムでは外的・内的要因によって年間発電量に影響が生じます。代表的な要因について解説します。

地理的要因

 太陽光発電システムの年間発電量は、日照時間が長い地域ほど発電量は多くなるのが一般的です。そのため、地域や地理的要因によって年間発電量は異なります。下記は、都道府県庁所在地別の年間発電量をまとめた表です。

都道府県庁所在自治体

建物系(戸建住宅等以外)・土地系(ため池以外)単位:kWh/(kW・年)

札幌市

1,206

秋田市

1,110

千葉市

1,333

新宿区

1,322

新潟市

1,145

甲府市

1,494

名古屋市

1,363

大阪市

1,327

広島市

1,323

松山市

1,324

福岡市

1,223

那覇市

1,241

 抜粋:「令和3年度 再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び 提供方策検討等 調査委託業務報告書」(株式会社エックス都市研究所、アジア航測株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社)P115表 3.2.1-18 各都道府県の県庁所在地における地域別発電量係数

 このように地域によって年間発電量は異なります。一般的には日本海側は年間発電量が少なく、標高が高い地域は年間発電量が多いといった傾向があります。

天候要因

太陽光発電システムの年間発電量は、日照時間の長さと比例するのが基本です。そのため、晴れの時間が長いほど年間発電量は多くなります。ただし、曇りや雨でも大気中に散乱した日光が充満しているため、発電量は0にはなりません。

また、日照時間が長くなりすぎると発電量を低下させる恐れもあります。気温が25℃を超えると発電効率が落ちてしまうからです。そのため天気が良すぎても、発電量の低下を招いてしまいます。

設置条件

太陽電池モジュールの設置の仕方によっても、発電量が異なります。設置位置や設置角度によって、受ける太陽光の量が違うからです。

太陽電池モジュールに対して直角に太陽光が当たるのが理想ですが、地域や設置場所によって最適傾斜角で設置できないケースがあります。そのため、太陽電池モジュールの出力容量に比べて、発電量が少なくなることもあるのです。

そのほか、「南向きに設置できない」「近隣のビルによって日影ができる」などの理由で発電量が少なくなることもあります。

太陽電池モジュールの性能

太陽電池モジュールの性能によっても、発電量に差が生じます。例えば、太陽光のエネルギーがどれだけ電力に変わるかという変換効率です。変換効率の目安は15〜20%ですが、メーカーや製品によって異なります。

例えば、A社製品の変換効率が15%で、B社製品が20%の場合、B社製品の方が同じ条件下でも5%効率よく発電します。そのため製品を選ぶ際に、変換効率のほか太陽電池モジュールの性能について確認することも重要です。

太陽電池モジュールの設置枚数

太陽電池モジュールの規模も年間発電量に影響を与えます。1枚増えるごとに最大発電量が増えるからで、設置枚数が多いほど発電量は多くなるのが基本です。

そのため、年間発電量を増やしたい場合は、太陽電池モジュールの設置枚数を増やすことが検討されます。太陽光発電で発電効率を上げる方法について知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

【太陽光発電の発電量確認方法】シミュレーションがおすすめ

太陽光発電の発電量確認方法

発電量がどのくらいになるのか気になる場合は、シミュレーションがおすすめです。太陽電池モジュールメーカーが提供しているサービスのほか、発電量シミュレーションソフトなどもあります。

また当社では、一定の条件を満たした場合に無料にて発電量のシミュレーションを実施しています。気軽にお問い合わせください。

まとめ

太陽電池モジュール

本記事では、太陽光発電システムの導入を検討する際に、気になる方が多い年間発電量について解説しました。

設置場所や地域の天候など個別の条件によって異なりますが、年間発電量の目安は設置容量1kWにつき1,000kWhです。これをもとにすることで、費用回収期間などの計画も立てやすくなったのではないでしょうか。

 当社では、高品質な太陽光発電モジュールを用意しており、事業規模や要望などに合わせて最適なプランを提案しています。発電量の無料シミュレーションのほか、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

 

 

監修者

リープトンエナジーブログ編集部

”神戸発”太陽電池モジュールメーカー、リープトンエナジーが太陽光発電について易しく詳しく解説します。お問い合わせは、右上の「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。

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